鈴木さちこ

—2024.03.28

坂本龍一さん

3月28日は、坂本龍一さん一周忌。

坂本さんが亡くなって、
自分の中に空洞のようなものができ
しばらく半年くらいは
自ら選曲して聴くものは坂本さんの作品か、
坂本さんが編曲した大貫妙子さんの曲になっていた。
それ以外、ほとんど聴いていなかった。

もともとラジオが好きなので、ラジオを聴くけれど
「うるさい」と感じる曲が多くなってしまった。
なんだかそれについては、自分でも困っている。

『Grey Skies 』から始まり
『SUNSHOWER 』などなど
坂本さん編曲の大貫さんの曲を、
改めてじっくり聴いてみた。

最初から最後まで、隅々まで、飽きさせない。
緻密に計算しているのか、感覚的なのかわからないけれど。
バックの楽器が、喧嘩をせずに、それぞれ活きている。
複数の音が重なっても、音が綺麗なのだ。
もちろん、大貫さんのボーカルを邪魔しない、引き立たせる。
こんな素晴らしい編曲ができる人は、最近いるのだろうか。

私が初めておふたりの作品に触れたのは
映画『子猫物語』だった。
映画音楽を坂本さんが担当
主題歌の歌詞を大貫さんが書かれていた。
１０歳のときに初めて、おふたりの楽曲に
夢中になったことを知ったのは
大人になってからだった。
映画館で２回観て、テレビ放送されたときは、
曲と朗読の部分を抜き出して編集したカセットテープを作った。

『UTAU』ツアーDVDの映像も
もちろん良いけど
ブックレットの写真が素敵すぎる。

連名のアルバム『UTAU』
かつてのふたりの関係を知り、
最後に収録されている『風の道』は
聴いているとたまらなく切なくなる。